コンサートConcert
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出演
ライラック管弦楽団
指揮:藤村知史
コンサートマスター:福岡昂大
ソリスト:pf 尾上理絵、pf 黒澤あみ曲目
・パガニーニの主題による狂詩曲 op.43(pfソリスト:尾上理絵)
・ピアノ協奏曲第2番ハ短調 op.18(pfソリスト:黒澤あみ)
・交響曲第2番ホ短調 op.27ライラック管弦楽団は、関西で活動するアマチュアオーケストラ奏者を中心として2022年に結成されたオーケストラです。
団体名はセルゲイ・ラフマニノフが愛したライラック(リラの花)から名付けられました。
ロシアでは早春にあたる5月頃がリラの花のシーズンとなり、彼が多くの時間を過ごし、実に作品の80%以上をその地で書き上げたというイワノフカでも美しく咲き乱れるそうです。
ラフマニノフは1902年に従姉妹のナターリヤ・サーチナと結婚します。同年、ベケートワの詩にメロディーを付け「リラの花」という歌曲を作曲しました。
"リラの花"エカテリーナ・ベケートワ
朝早く、明け方に 露に濡れた草を踏み
私はすがすがしい朝の空気を吸いに行く
かぐわしい木陰、リラの花が咲き群れている木
陰の中に私は自分の幸福を探しに行く
一生のうちにただ一つの幸福に
めぐり合うのが私のさだめ
そしてその幸福はリラの花の中に住んでいるのだ
緑の枝、かぐわしい房に、私のささやかな幸福
が花開いているのだ。(和訳:伊東一郎)
「12のロマンス op.21」の5番目として書かれたこの曲は後にピアノ独奏曲に編曲されています。
本演奏会では【オール・ラフマニノフ・プログラム】と題し、彼の作品のうち有名な3曲を取り上げます。
1曲目は「パガニーニの主題による狂詩曲 op.43」。
祖国を離れ創作意欲を失っていたラフマニノフは、休暇で訪れたスイスで故郷に似た風景を発見します。その後その土地に別荘を建て、
より故郷の風景に近づけるため白樺の木を植えたラフマニノフは望郷の念を筆に込め、かの名曲を書き上げました。
第18変奏は特に有名で、数々の映画にも取り上げられています。
2曲目は「ピアノ協奏曲第2番ハ短調 op.18」。
ピアノ協奏曲というジャンルの中でも最も人気な作品のひとつであるこの曲は、若きラフマニノフの名を上げた出世作でもあります。
クラシックブームの立役者となった『のだめカンタービレ』でも重要な局面で取り上げられ、クラシックファンのみならず普段クラシック音楽に触れない方々にも愛される一曲となりました。
最後を飾るのは「交響曲第2番ホ短調 op.27」。
前述のビアノ協奏曲に筆を走らせていた頃はうつ病やスランプに苦しめられたラフマニノフですが、本交響曲は公私ともに最も充実していた時期に書き上げられた作品となります。
また、この曲は冒頭で触れたリラの花咲き誇るイワノフカで書かれた曲でもあります。
"旋律の絶えざる美しい流れ"と称されるロシア交響曲の伝統に沿ったこの曲は3楽章-Adagio-の美しさが有名で、ラフマニノフの作品の中でも特に人気の一曲です。
有名な大曲ばかりを取り上げたライラック管弦楽団による【オール・ラフマニノフ・プログラム】、是非お楽しみください。お問い合わせ